シングルカスクとカスクストレングス

      2016/11/18

こちらでは、限定品ウイスキー等でよく聞くことがあり、混同されやすい「シングルカスク」と「カスクストレングス」について、解説をしたいと思います。

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シングルカスクとは、どういう意味なのか

シングルカスクとは、言葉が示す通り「一つの樽」からのみ取り出したウイスキーの事を、シングルカスクと呼ぶ。

このシングルカスクは、あくまでも「一つの樽」からのみ取り出したウイスキーを指すだけで、加水しているか?していないか?はまた別の話になるんですね。

シングルカスクは加水しているのか?

シングルカスクを加水せず、樽から取り出したままの加水していない「原酒」と取られる事がありますが、そうではないんです。
加水していても、一つの樽から取り出したウイスキーであれば、シングルカスクとして区分けされます。

加水されているとはいえ、一つの樽から取り出すウイスキーとなりますので、樽熟成による美味しさを味わうにはいいですよね。
(ただシングルカスクになると、あまり加水せずにボトリングされるものが多いのも事実です。)

この一つの樽を選定するまで、当然ながらすごい時間があります。
蒸溜後、どの樽に詰めるか、また樽に詰められた後は貯蔵庫で、1年、2年、3年・・・20年と気が遠くなる程の非常に長い期間、じっと静かにボトリングされる時を待っているわけですね。

この樽に詰めれば絶対美味しい!という決まりは存在しない為、どのタイミングで樽から取り出すか、この判断もブレンダーに委ねられております。

また、樽から出しても、シングルカスクにするべきか、ブレンドするべきか、等も考慮した複雑な判断をしなければならないのですね。

それ故に、シングルカスクは人気があり希少度からも価格が高めになってしまう傾向があります。

こちらは私が所有している「シングルカスク」のオーナーズカスクのボトルです。

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このシングルカスクは加水せずに、そのままボトリングしたものですね。

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その為、アルコール度数も57%と高いです。

カスクストレングスとは、どういう意味なのか

カスクストレングスとは、これも言葉が示す通り「樽のままの強さ」で、樽から取り出したウイスキーを加水していないものになります。

カスクストレングスはブレンドしているのか?

先程のシングルカスクは、「一つの樽から」取り出したウイスキーでしたが、こちらは「一つの樽」とは限定していません。

という事は、複数の樽から取り出したウイスキーを加水せずにブレンドしても、カスクストレングスと名乗ることが出来るわけです。

たとえブレンドしていたとしても樽だしの強度は、なかなか味わえないものでアルコール度数も60%を越えるものも存在します。
通常は加水して、アルコール度数を40~46%程度にして落ち着かせますが、それをせずに味わう

これはこれで、強烈なインパクトがありますので、機会がありましたらぜひw

こちらは私が所有している「カスクストレングス」のラフロイグ10年カスクストレングスのボトルです。

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ラフロイグ10年の通常品が40%もしくは43%なので、かなりアルコール度数が高い事がわかっていただけると思います。

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シングルカスクとカスクストレングスの違いについてのまとめ

「シングルカスク」=「カスクストレングス」とは必ずしも言えないという事なんですね。

私自身がウイスキーに興味を持った時に、この二つの言葉は同じ意味だと勘違いして理解していました。
初めて知った時は「え!?違うの!?」と衝撃を受けた記憶がありますw

シングルカスクとカスクストレングス、どちらのボトルも比較的高額になるケースが多いですが、BAR等に行かれた時にでもぜひとも楽しんで頂ければと思います。

シングルカスクとカスクストレングスの違いについて、出来る限りわかり易く頑張って記載しましたが、ご理解いただけましたでしょうか?

少しずつ用語も覚えていければ、モルトを飲まれる時の楽しみや、選ぶ時の基準にもなるのではないかなと思います。

私も、シングルカスクとカスクストレングスの「これだ!」というボトルは頑張って入手するようにしておりますw

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